斜に構える頑固

日々思うことを綴る

アウトプットしていますか


 文章を綴るのは何十年ぶりだろうか。

 学ぶべき若い頃は、見たり聴いたりといった頭の中に入れる作業が主体となる。歳を重ねるにつれて頭の中から出す作業、つまり話すことによる意思伝達や、書いたり作ったりという手を動かす作業が主体へと変わる。社会の営みはほぼ後者であるわけだが、教育に関しては圧倒的に前者に偏っている。当然ながら、インプットなしにアウトプットはできないわけだが、そのバランスがあまりにおかしい。成長につれて頭の中から発信していく作業量を増加させていくべきであり、そのような体系を構築してほしいものだ。

 一時期、子供の勉強をみていたことがある。学習内容を短答的な試験だけでなく、対話による口頭だったり、白紙に自由に記述させたりして確認させた。はじめは単語レベルで、少しずつ文章化していく。話すときは説明を心がけ、書くときは図や矢印など視覚的なものも利用していくように。十をもとめるのではなく、二、三できればよし。アウトプットさせることを心がけていた。

 ひょんな事から高三の子が中学生に授業をすることになったことがあった。最大限にサポートはしたのだが、彼が想像していたよりもずっと大変だったようだ。とても勉強になったと感動していたことを覚えている。現在何かを学習中の方は、その内容を来週誰かに教えなければならないという架空の授業を想定して取り組んでみてほしい。

 現在私は社会のほぼ最底辺にいる。人様に迷惑はかけていない。ここ七、八年は人との会話が極端に少なく、多少体は動かすものの頭をつかうこともない。趣味は専らインドアで、音楽でも本でもネット動画でも、そこにアウトプットはない。ふと思い立ったので、自分勝手ながら文章を綴ってみることにした。