斜に構える頑固

日々思うことを綴る

ガラパゴス化を勧めたい

 その孤立した環境から生まれた、独自進化を遂げた固有種による生態系をもつガラパゴス諸島。これをもとにした言葉である「ガラパゴス化」について、ネガティブな否定的なものとして扱われることにとても違和感がある。最もそういう目的で広められた言葉なので仕方ないが、その際に「ガラパゴス化」できているということは、しっかりと生態系を確立できて、しかもユニークであるという褒め言葉であり、悪いことではないという反論がほしかった。技術でも文化でも、まずは小範囲でかまわないのでガラパゴスのように系を確立することが目標となる。そこでようやく範囲を拡大したり、他の系との調和を図ったりしていく段階に進めるのだ。

 その言葉は日本の携帯電話に対して用いられ、あたかも悪いものであったかのようにされている。しかしそれは立派に進化を遂げ確立されたものであった。うまくやれば、軽自動車のようなポジションをとれたし、アニメーションのように認められる地域も出てきたかもしれない。変に外を意識しすぎて内を壊してしまったところは、外来種に悩むガラパゴスに似ているとも言えるか。

 当時日本のメーカーは、技術サイドが提唱するスマートフォンの開発を経営サイドが潰していたというのはよく聞く話。また、携帯会社も異様なほどにガラケーの縮小からスマホの拡大に躍起になっていた。このあたりの経営方針は理解できない。また、いくらiPhoneが強くても、Felicaを導入したり、USB-Cに移行したりと、しっかりとした系には逆らえないのである。

 歴史を紐解くと、まさに日本はガラパゴスそのものであり、その独自性をなくしては何もない島になってしまう。独自の技術や文化を間違ったガラパゴスで否定する人たちには注意が必要で、その技術や文化は守られるべきだと私は思う。