斜に構える頑固

日々思うことを綴る

自分の名前は好きか

 

 「佐藤」姓から想像する人物はどんな人ですか。「葵」という名からはどうでしょう。その名に対して好感を抱いたり、逆に嫌悪感を抱いたり、話しやすそうな人、苦手そうな人など勝手な人物像が描かれませんか。おそらく、これまでに自分が接してきた人たちや見聞きした著名人などの影響で形成されていると思う。ありふれた名前は平均化されフラットなものになるが、数の少ない名前であれば心象は人により大きく異なるだろう。

 字面や音から受ける印象もある。特に漢字の表意性は重要だ。昨今のキラキラネームやアニメなどのキャラクターからの名付けを私個人は不快に感じるが、昔から当て字や偉人・親族から字をもらったりすることは普通にあったわけで、その行為を否定する気はない。子供にその名前をつけたいきさつを話してあげられればよろしい。「名は体を表す」とか「親が知れる」とか言われるのは事実である。

 自分の姓・名が嫌いだった。自己肯定感の低さが原因なのだろう。他人の中で浮いてしまっている気がしていたし、音が馴染めなかった。精神面の成長が遅かったこともあり、30代でようやく折り合いがついた。思春期をすぎる頃には卒業しておくべき課題である。同じように感じたことのある人に2つ提案したい。まず、自分の姓または名で検索をかけて、頑張っている人の発信を見てみよう。音が同じとか、似ている名でもよい。他力ではあるが活力をもらえませんか。次に、日常生活で名前を口から発する機会を意識的に増やそう。名乗ることは大事です。なんなら独り言でよいので音にしてみよう。

 名前のもつ力は大きい。嫌っていては人生に大きなマイナスをもたらす。自分の名前も良いなと思えるようになりましょう。あと、私の氏名は佐藤葵ではありません。